仮設工作物の機能について

仮囲いの機能|門扉の機能|足場の機能|墜落・落下物防止設備機能|親綱・安全帯    


仮囲いの機能:
1.工事現場と外部の隔離
2.指定場所以外からの入退場の禁止
3.盗難防止
4.災害の防止
5.美観の維持

仮囲いの計画上の注意点
1.法規との関連
@建築基準法施行令の規定
木造以外の構造で2階以上の建築物の建築工事を行う場合は、期間中工事現場の
周囲に仮囲いを設置する事をさだめています。
ただし、災害の恐れが無い場合はその必要が無いとしています。
所定の高さを有し、災害を十分防止しうる既存の塀や壁がある場合は仮囲いを新設する必要は無い。
また、広い敷地を持つ工場の工事のように災害の発生の恐れのない時は、ネットフェンスのような簡単なものでよい。

A道路管理・警察署の許可
道路を借用して仮囲いを設置する場合は、申請用書類を道路管理者及び所轄警察署に提示し許可を得る。
借用できる出幅は、道路管理者及び警察署により異なることが多いです。

2.計画の条件(組立方法)
@工事期間中設置しなければいけないので、その期間に見合った耐久性の有るものを設置する。
A道路又は隣地と工事現場を隔離するために設けるので、工事の支障になる場合が生ずる事もあるので、
部分的に取り外しのきく方法をとる。
B風・突風にあおられて倒れる恐れがあるので、形式に見合った骨組みで十分安全な構造とする。
特に、建て地ゃ控えの根元をしっかり固定しなくてはならない。
C足場の位置や朝顔の養生設備、地下工事等を考えて計画し盛替え作業をなくす。
D仮囲いの下端のあきは、幅木を設けたり、土台コンクリートを打って隙間のないようにする。
E市街地に設ける場合は、美観上も好ましく清潔なものがよい。
また、場所によっては特殊な色や絵(模様)を使用する事もあります。

門扉の機能:
閉鎖している時は、仮囲いと同等の機能が必要であり、更に必要な時は開放して人や車両の入退場を
可能にする機能が要る。工事期間中は、何回となく開閉されるので耐久性が必要である。

計画上の注意点
1.法規との関連
仮囲いと同時に手続きをする。ただし、位置に関しては前面道路の交通量の関係で警察から
規制される事もあるので十分注意して計画する。

2.計画条件
@有効な高さと有効幅
門扉は、開放したとき、工事に必要な車両が入退場できるだけの有効高さと有効幅をもち、入退場に支障のないようにする。
a 有効高さ
通過する車両のうち、積荷の高さを含めて最も背の高いものが通過できるようにする。
S造の場合ガセット付きの鉄骨柱を搬入する時の積載の最高高さを、RC造の場合は生コン車の空荷時の
高さを有効高さとするのがよい。
ただし、特殊な物についてはそれだけのために特殊な門扉を計画するより、別途の搬入計画を考えるのが経済的である。
b 有効幅
幅は、車幅にもよるが、前面道路の幅によって車両の進入角度がかわるので、門扉の有効幅は
車両の回転動線を描き、ある程度の余裕を持たせることが必要です。

2.設置位置
電柱、街灯、街路樹、電話ボックスの道路に設置されたもの、場内の仮設道路や乗り入れ構台の仮施設、
車両の場内動線を考え適切な位置に設ける。

3.管理
車両の入退場時は、歩行者に危険が及ぶことがあるので、警備員を配置して誘導する。

足場の機能:

足場の機能としては、各種工事の作業床、作業員通路、工事関係者及び第三者の安全等が考えられる。

1.法規との関連
@設置条件
高さが2m以上の場合で、墜落の恐れがある作業につく時は足場を設け作業床を確保する。
作業床を設ける事が難しいときは、ネットを張り、親綱を設置し安全帯を使用する。
(労働安全衛生規則518)

作業床については、次の通りである。

種   類
内            容
作業床 足場における高さ2m以上の作業場所に設ける床。
吊棚足場作業床 40cm以上の幅を有し、隙間がないようにする。
足場板等床材は点支持とし、両端部を固定する。
斜面作業床 勾配が15度以上30度以下の作業床で、40cm以上の幅を有し、
隙間がないようにして、踏桟その他のすべり止めを設けたもの。
墜落・転落の恐れの有る作業床 作業床は隙間のないようにし、手摺・幅木をもうける。
手摺の高さは、75cm以上とし、幅木の高さは10cm以上とする。
一般作業床 40cm以上の幅が有し、床材の隙間は3cm以下にする。

A足場における高さ2m以上の作業場所には、作業床を設ける。
(労働安全衛生規則563参照)

2.構成に関するもの:
@高さが2m以上の場所で安全帯を使用させるときは、安全帯を安全に取付けるための設備を設ける。
(労働安全衛生規則521参照)
A架設通路は勾配30度以下にする。
B勾配が15度以上の時は、踏み残その他のすべり止めを設け、墜落の恐れがあるときは、高さ75cm以上の手摺を設ける。
C高さ8m以上の昇り桟橋は、7m以内毎に踊り場を設ける。
(労働安全衛生規則552参照)
D吊り足場を除き、作業床の床材は転位や脱落しないように2点以上固定する。
E足場板は3点支持とし、幅30cm以上、厚さ6cm以上、長さ4m以上の板を用いれば2点支持でもよい。
(労働安全衛生規則563参照)

3.単管足場の関連法規:

項      目
労  働  安  全  衛  生  規  則 570
壁繋ぎ間隔 垂直方向5m以下、水平方向5m以下にする。
建て地の間隔 桁行方向1.85m以下、梁間方向1.5m以下にする。
地上第一の布は2m以下にする。
31mを超える部分の建て地 建て地の最高部から計って31mを超える部分の建て地は、単管を2本組とする。
積載荷重 建て地間の積載荷重は400kgを限度とする。

4.枠組み足場の関連法規

項      目
労  働  安  全  衛  生  規  則 570
壁繋ぎ間隔 垂直方向9m以下、水平方向8m以下にする。
水平材 最上層及び5層以内毎に水平材を設ける。

5.付属設備に関するもの
@高さが2m以上の作業床の端部、開口部等で墜落の恐れがある所には、囲い・手摺・覆いを設ける。
(労働安全衛生規則519参照)
A高さ又は深さが1.5mを超える場所には、昇降設備を設ける。
B主要な通路には、通路の表示と照明を設ける。
(労働安全衛生規則540、541参照)
C墜落の恐れのある作業床には、75cm以上の手摺を設ける。
(労働安全衛生規則563参照)

6.落下防護に関するもの
@工事現場の境界線から水平距離が5m以内、地盤面の高さ7m以上にあるときで、工事現場の周辺に危害を生ずる
恐れのある場合は、金網又は丈夫なシートで覆う等の落下物による危害を防止する。
(建築基準法施行令136の4参照)
A建築工事を行う部分が、10m以上の高さにある場合は、防護棚(朝顔)を1段以上、20m以上の高さにわたる場合は、2段以上設ける。
防護棚(朝顔)の規定
a 板状のもので隙間がないもの。
b 木材の厚さ1.5cm以上、金属板等ではこれと同等以上。
c 骨組みの外側から水平距離で2m以上突き出し、水平面とのなす角度を20度以上とする。
d 最下段の防護棚(朝顔)は、10m以内の位置に設ける。
B地上4m以上の場所で作業する場合において、作業する場所から俯角75度以上のところに一般の交通その他の用に共される
場所があるときは、仮囲い等の覆いを設け落下物による危害を防止する。

7.選任・届け出に関するもの
@作業主任者の選任
a 選任・配置すべき者 (足場組立作業主任者)
b  業務内容 (吊足場、張出し足場、高さが5m以上の足場組立・解体)
c 資格要件 (技能講習修了者)
d 選任時期 (足場組立前)
e 表示 (現場の見やすい所に作業主任者の名前を表示する)
A計画の届け出
a 種類(10m以上の高さがある足場)   
b 届出事項(設置場所・種類及び用途・構造材質及び主要寸法)
c 必要な図面(組立て図・配置図)
d 提出時期(当該工事の開始の日の30日前)
e 提出責任者(現場所長又は代理人)
f 提出先 (所轄の労働基準監督署長)
[注]ただし、上記足場の内、組立から解体までの期間が60日未満のものは届出を必要としない。

墜落・落下物防止設備機能:
1.墜落・落下防止設備の機能は下の通りである。

機  能
設           備
墜落防止 安全な作業床
作業者の墜落を受け止める設備
作業床の端に設ける設備
開口部を覆う設備
作業者の体につける安全帯
足場・踊り場等に設ける作業床
養生金網・安全ネット
手摺・囲い
防護ふた
安全帯・親綱
飛来落下 上部からの落下物をうけとめる水平養生設備 朝顔・養生金網
飛散防止 上部からの落下物の隣家への飛散を防止する垂直養生 養生金網・養生シート

2.関係法規
労働安全衛生法・同施行令、労働安全衛生規則、建設業労働災害防止規定などがある。
@高さが2m以上の場所で、墜落の恐れのある作業につく場合、足場を設け安全な作業床を確保する。 (518条・563条)

A高さが2m以上の作業床の端、開口部等で墜落の恐れのある所には、囲い、手摺、覆いを設ける。(519条 )
B手摺の高さは75cm以上。(563条)
C高さ又は深さが1.5m以上の場所の作業には昇降設備を設ける。(526条)
D作業床がどうしても設けられない場合は、安全ネット等の防網を張り、安全帯を使用させ墜落災害の処置をする。(518条)
E囲い等をどうしても設けられない場合、また臨時に囲いを取り外す場合は防網を張り 安全帯を使用させ墜落災害の処置をする。(519条)
F親綱を張り、丸環等の安全帯の取付け設備を設ける。(521条)

親綱・安全帯:
1.親綱・安全帯の機能
親綱は、作業員の墜落を防止するために設置されるものであり、安全帯は作業員が着用し親綱等に
引っ掛けて墜落から身を守るためのものである。

2.用途
高さ2m以上で、墜落の危険がある作業では安全帯を安全に取付けられる親綱等を設け、安全帯を使用する。
危険な墜落場所として、労働安全衛生規則(518〜521条)に次の通りに示されている。
@幅40cm以上の作業床がない場所で作業する場合。
A作業床であっても、囲い、手摺、覆いがない場所で作業する場合。
B手摺から身体を乗り出して作業する場合。

3.計画・使用上の注意
@親綱
a 親綱には、繊維ロープ(ナイロンロープ)又はワイヤーロープを使用する。
b 親綱を張る場合は、ゆるみのないように、支持物に確実に緊結する。
c 親綱一本を数人で使用する場合は、人数に応じた補強をする。(支柱の間隔を狭くする)
d 親綱にあらかじめ丸環を通しておくと安全帯の活動、移動がしやすい。
e 親綱を縦方向に設置する場合は、ロリップを使用する。

A親綱の点検事項

種 類
点  検  事  項
ワイヤーロープ @1よりの間に素線数が1/10以上切れていない事
A径が7%以上減少していない事
Bキンクぐせがない事
C芯がつぶれていない事
D著しいさびがない事
Eよりやほぐれがない事
繊維ロープ @ストランドが切れていない事
A径が減少していない事
Bよりやほぐれがない事
C腐食していない事
D焼け焦げていない事
E表面が毛羽立っていない事

安全帯
@安全帯の使用法
a 安全帯、ロープの損傷、磨耗、フック、丸環(D環)の変形・損傷等を着用前に必ず点検する。
b ベルトは腰骨の上にきちんと締める。
c 危険作業着手前にロープを肩に回し、使いやすいように準備する。
d 安全帯のフックは、腰より上部にかけ、落下距離を2m以下とする。
A安全帯の取付け設備
a 専用の取付け金具又はアンカーを利用する。
b 建築中の構造体を利用する。
c 親綱を利用する。